ステイトメント
アーティスティックディレクター 日比野克彦氏による
「六本木アートナイト2013」ステイトメント
TRIP→
眠るまでが今日
起きると明日
今日と明日の間に夜がある
今日が明日になるのを目撃せよ!
暗闇があるからこそ想像力が生まれた
闇から生まれるアートの力
闇は時間を超越し
アートも時間を飛び越える
六本木アートナイトは
アーチストたちの船が
六本木の港に寄港する夜
想像の世界からの宝が船に乗っている
自分の船を巡らせて
アーチストたちの宝を
積み込みに行こう。
2012年12月4日 日比野克彦
実行委員長コメント
六本木アートナイト実行委員会は、次回の六本木アートナイトを、2013 年3 月23 日に開催すること決定いたしました。
今回のアーティスティックディレクターには、アーティストで東京藝術大学の教授でもある日比野克彦氏を起用し、新たな可能性に挑戦します。日比野氏は、現在日本で最も評価の高いアーティストのひとりであり、また数々のアートプロジェクトの牽引者として、ユニークな活動を展開していることでも知られています。六本木の街を舞台に夜を徹して開催されるこの恒例のアートの祭典は、次回も多くの人々が感動を共有する素晴らしい機会を提供することは間違いありません。六本木の街からアートの元気を発信し、日本の未来を拓きましょう。
2012 年10月16日
六本木アートナイト実行委員会
実行委員長 南條 史生
アーティスティックディレクターコメント
六本木によく通っていた時代があった。そのころニューヨークでは、アーティストがバーやディスコを表現媒体として作品を発表するというスタイルが盛んに行われており、そんな風が日本にも吹いてきていた。特に六本木では多くのアーティストが店舗を作品化する試みがなされ、私もその一人として店を幾つか手がけた。今でいう地域とのコミュニケーションをとりながらアートプロジェクトを行っていたということになるのだろうか。あれから25 年が経ち六本木は美術館ができ、アートナイトが行われるようになった。六本木という地域との連携でのアートアクションを再び多くのアーティストと共にしかけていきたいと考えている。
2012 年10 月16 日
六本木アートナイト2013
アーティスティックディレクター 日比野 克彦
アーティスティックディレクター 日比野 克彦
1958年岐阜市生まれ。東京藝術大学大学院修了。
1980年代に領域横断的、時代を映す作風で注目される。作品制作の他、身体を媒体に表現し、自己の可能性を追求し続ける。1986年シドニー・ビエンナーレ、1995年ヴェネチア・ビエンナーレに出品。2003年、越後妻有アートトリエンナーレで[明後日新聞社文化事業部]を設立、明後日朝顔の活動を開始。2005年水戸芸術館[HIBINO EXPO]、2007 年金沢21世紀美術館[「ホーム→アンド←アウェー」方式]、熊本市現代美術館[HIGO BY HIBINO]など個展を開催。館内の展示室だけでなく、地元地域の人達とも活動した。明後日朝顔の種が人と人、地域と地域を繋げていく様子から「種は乗り物のようだ」と着想、「種は船」を金沢・横浜・鹿児島・種子島などで造船する。2010年から3カ年計画にて舞鶴で造船中。瀬戸内国際芸術祭では、海の底の時間に焦点をあてた「瀬戸内海底探査船美術館一昨日丸」を長期に渡り展開予定。サッカーW 杯南アフリカ大会へサポーターと作ったMATCH FLAG を届け、スタジアムをスポーツとアートの交流の場とした。受取り手の感受力に焦点を当て、各地域の参加者と共同制作を行い社会で芸術が機能する仕組みを創出する。現在、東京藝術大学教授、日本サッカー協会理事を務める。震災後、復興支援活動「HEART MARK VIEWING」を立ち上げ、モノを作る喜びを取り戻すきっかけを作り、人と人を繋ぐ試みを行う。