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TARO NASU

TARO NASU

Benoît Piéron, “Étoiles ou Tempêtes” [Stars or Storms], exhibition view at Magasin CNAC, Grenoble, 28 June—20 October 2024. © Magasin CNAC, Courtesy of the artist. Photo: Grégory Copitet From left to right: Benoît Piéron, Plante de salle d’attente (Dypsis lutescens), 2022, Courtesy of the artist. Collection Frac Bretagne; Paravent, 2021, Courtesy of the artist. Collection Fonds d’art contemporain – Paris Collection.

ブノワ・ピエロン「Fabric softener」
2024年9月13日(金)〜10月12日(土)

営業時間:火-土 11:00-19:00/休廊日:日月祝

ブノワ・ピエロンは自らの記憶や感覚をもとに人間と社会、生と死をテーマとして扱いながら、その個人的な体験を誰もが共有しうる普遍的な物語へと昇華させる作家である。幼少期を小児病棟で過ごしたピエロンにとって、死と隣り合わせの生は身近で苛烈な現実であり、その現実と折り合いをつけるために少年時代の彼が用いた想像力は、現在の彼の制作活動の基盤にもなっている。中間色を用いた華やかな色彩のハーモニーは彼の作品の特徴の一つとされるが、その色彩は病院の小児病棟のシーツの色に起因するものであり、彼の分身ともいえるコウモリ型をしたソフトスカルプチャーは、輸血の体験から生まれた吸血鬼についての子供らしい幻想と結びついている。見慣れた日用品であるベッドは、ブノワにとっては休息と回復の場であるだけでなく生と死の結節点でもあり、その意味において彼の作品世界の一つの主軸となる存在である。ベッドの周囲にに配置されるカーテンや衝立は、個人の領域とその外に広がる社会とを分つあまりに脆弱な壁であり、内部がつねに外部からの侵略の脅威に脅かされていることを可視化したものともいえよう。と同時にその柔らかな布が囲い込むきわめて小さな空間のなかで、無限大に広がる奔放な想像力がはぐくまれ、ときには現実よりも確かな手応えすら感じさせる夢を紡ぐことを許してくれること、想像力や希望といった儚くみえるものに内在する強靭さとしなやかさをブノワの作品は教えてくれる。

TARO NASUでの初の個展となる今回は、家具の形をした立体作品で構成される大型インスタレーションや写真作品を展示し、コンセプチュアルでありながら詩情に溢れたその作品世界をあますところなく紹介する。
[営業時間]
9/27(金) 11:00〜19:00
9/28(土) 11:00〜19:00
9/29(日) 休廊
[場所]
東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル 4F
[電話]
03-5786-6900
[URL]
https://www.taronasugallery.com
※営業時間等の最新情報については、各ギャラリー・施設のウェブサイトをご覧ください。