MESSAGEアーティスティックディレクター
日比野克彦
《問》六本木という街とアートという表現とナイトという時間が一緒になると何になる?
《分析》六本木東京にある大きな街。他の大きな街は鉄道ターミナル(主にJR山手線)があることによって人が運ばれて成長してきたが、六本木はそれとは異なる。特徴ある大きな施設に人が訪れてきたことにより成長してきた。
アート
人が持っている力。その力の存在を自覚するときもあるが、奥深くしみ込んでいて気がつかないときもある。外的要因によって、その力に気がつくときがある。その外的要因をアートと呼ぶときもあるが、そうではなく、人が持っている力のことを指す解釈もある。
ナイト
暗闇の時間帯。見えていたものが見えなくなり、見えなかったものが見えてくる時空間。
《答え》六本木アートナイト見えなかった「人の力」の存在が私たちに訪れることになる。
アーティスティックディレクター 日比野 克彦
プロフィール
1958年岐阜市生まれ。東京藝術大学大学院修了。1986年シドニー・ビエンナーレ、1995年ヴェネチア・ビエンナーレに出品。領域横断的、時代を映す作風で注目される。2003年、越後妻有アートトリエンナーレで[明後日新聞社文化事業部]を設立、明後日朝顔プロジェクトの活動を開始。2005年水戸芸術館[HIBINO EXPO]、2007年金沢21世紀美術館[「ホーム→アンド←アウェー」方式]、 熊本市現代美術館[HIGO BY HIBINO]など個展を開催。2007年より「種は船」を金沢・横浜・鹿児島・種子島などで造船。2010年より3ヶ月かけて制作した自走式の船で2012年「種は船航海プロジェクト~from舞鶴」で3ヶ月間航海を実施。国内各地で地域の人々と共同制作を行いながら、受取り手の感受する力に焦点を当てたアートプロジェクトを展開し、社会で芸術が機能する仕組みを創出する。また、2010年よりサッカーW杯にむけ、スタジアムでスポーツとアートの交流をはかる「MATCH FLAG PROJECT」を開始。瀬戸内国際芸術祭2013において、海の底の時間に焦点をあてた「瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト『一昨日丸』」を実施。現在、東京藝術大学教授、日本サッカー協会理事を務める。
最近の代表作品
「明後日朝顔プロジェクト」
作品名:明後日新聞文化事業部 2003年
2003年(越後妻有アートトリエンナーレ2003)新潟県十日町市莇平の廃校を本社に「明後日新聞文化事業部」を発足し、集落住民と共に朝顔を育てた事から活動を開始。この地で生まれた種は、日比野の各地での活動に呼応するように全国へと運ばれ、人と人が繋がり、大きなネットワークとなっている。現在29地域が参加。
「MATCH FLAG PROJECT」
作品名:『MATCH FLAG PROJECT』2014年
日本代表の活躍とサッカーを愛する世界中の人びとを応援するプロジェクト。2009年 W杯予選に向け300枚の旗を熊本の街中に掲げたことから開始。 W杯開催年に合わせ全国でワークショップを開催。制作を通し、対戦する国のことや日本代表のことを語り合う時間がサッカー文化を表現する礎となる。「サッカーは文化だ。サッカーはアートだ。」