水戸部 七絵 《People Have The Power》

9/22(月)〜

麻布消防署仮庁舎建設用地 （元麻布警察署跡地）

無料

この世を去ったスターたちは、時代の変化とともに社会問題の文脈で再評価され、かつて絶対的だった価値や常識すら見直されています。BLM 以降、ジェンダーや人種、植民地主義などのマイノリティ間の構造は、ポートレートを描き続けてきた水戸部にとって重要なテーマとなりました。

今作では、反戦運動や人種差別と闘った人物、平和活動に貢献した人々が登場します。多くの作品は実在の人物を直接描いたものではなく、メディアを通じたイメージの再構築であり、雑誌の表紙やレコード・ ジャケットなどがモチーフとして使われています。赤いドローイングは、壁に描いた「落書き的」表現であり、ストリートカルチャーやベルリンの壁の崩壊から着想を得たものですが、悲劇を伝える一方で、抵抗する人々への共感と希望の象徴でもあります。